少年の夏



あの日もこんな夏空だった

初めて飛行機を見た少年の日

いつか
飛行士になって
大空を駆け巡るんだと
心に決めた

あの日から
なんと遠くまで
来たことか


泣け、戦士たちよ
男泣きに泣け

しかし、よいか
鳥は
悲しいときも嬉しいときも
巣へと帰ってゆくのだ

郷里で待つ
父母のもとへ帰れ

八月二十一日、晴天

草原に風が起こり
うなるような響きが大地を駆け巡る


涙の帽振れを胸に


我々は新たな時代へと

離陸する






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